福岡・博多のお香作り体験TSUTSUMUで、夏になるといちばん人気が伸びる香料があります。レモングラスです。博多の工房でも、暑さが増すほど「爽やかな香りにしたい」という声が増えていく——今日はその“涼しさ”の正体をお話しします。
レモングラスは「レモン」ではありません
名前を聞くと黄色い果実を思い浮かべますが、レモングラスはイネ科の草です。見た目はススキやさとうきびの葉に似た、細長い緑の葉。
それなのに、葉をちぎるとレモンそっくりの香りが立ちのぼります。理由は「シトラール」という香り成分。じつはレモンの皮にも含まれる成分で、だから草なのにレモンの香りがするのです。柑橘の酸っぱさ抜きで、レモンの爽やかさだけを持っている草——それがレモングラスです。
果実のレモンより香りが軽く、どこか青々しい。この「果物ではなく草である」ことが、お香にしたときの独特の清涼感につながっています。
アジアの台所で愛されてきた香り

レモングラスのふるさとは、東南アジアやインドの熱帯地方。タイ料理のトムヤムクンに欠かせないハーブといえば、ピンとくる方も多いはずです。
インドの伝統医学アーユルヴェーダでは数千年前から使われてきたと言われ、ハーブティーとしても世界中で親しまれています。暑い土地の人々が、暑さをしのぐ知恵として身近に置いてきた香りなのです。
蒸し暑い博多の夏にレモングラスがよく合うのは、偶然ではないのかもしれません。
お香に入れると、何が起きるか
レモングラスの役割を一言でいうと、「風を通す」です。
白檀の甘さも安息香のぬくもりも、それだけでは夏の空気のなかで少し重たく感じられることがあります。そこにレモングラスを加えると、草をちぎったときのような青い香りが全体に抜け道を作り、香りがふっと軽く、涼しくなります。
加える量はお好みです。ひとさじなら後味がすっきりする程度、多めに入れれば主役級の清涼感。冷たさで突き抜けるのではなく、青い草の爽やかさでやわらかく涼む——そんな趣の香料です。
フランキンセンス × レモングラス ─ すっと澄んだ夏の定番
ベースにフランキンセンスを選び、レモングラスを重ねる。夏のTSUTSUMUでおすすめしている、いちばん涼しい組み合わせです。
フランキンセンスの凛とした「祈りの香り」に草の爽やかさが加わると、朝の高原の空気のような、すっと澄んだ香りになります。甘い香りが得意でない方にも、よく選ばれる配合です。
白檀 × レモングラス ─ 打ち水のような和の涼しさ
落ち着いた甘さの白檀に、レモングラスで風を通す組み合わせです。
甘さと清涼感が半々に混ざって、夕方の打ち水のあとの路地のような、どこか懐かしい涼しさになります。藍色の浴衣が似合いそうな、和の夏の香りです。
「香りの涼」は、夏のあいだに

エアコンの涼しさは肌に届きますが、香りの涼しさは気持ちに届きます。焚いた瞬間に部屋の空気が少し変わり、こもった熱がすっとほどける——レモングラスのお香には、そんな力があります。
そして香料には、素直に「旬」があります。秋になれば金木犀やシナモンの温かさが恋しくなるように、レモングラスがいちばん輝くのは、やはり暑いいま。8月の博多で作る一本は、この夏の記憶ごと、香りになって手元に残ります。
ご予約・アクセス
- 所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前3-5-20 本島ビル401(JR博多駅 博多口から徒歩約10分)
- 営業時間:10:00〜18:00(最終入店 17:00)
- 🎐 8月は月曜・火曜も休まず営業しております(通常は月曜・火曜が定休日)
- 料金:¥3,500/人(木箱への刻印オプション +¥500)
- 所要時間:約60分/対応言語:日本語・英語・韓国語
- ご予約:公式サイトから24時間受付/お電話 070-6697-5255
- Instagram / TikTok:@tsutsumu_incense
香料の名前と物語を知っていると、選ぶ60分が変わります。「なんとなく爽やかなもの」ではなく、「フランキンセンスの静けさに、レモングラスで風を通す」——。福岡・博多の工房で、あなたの夏にいちばん合う涼しさを見つけてください。



